線が細い人の日記

うつ病を患い無職に→社会復帰しました。

10年振りのバイト

10年振りにバイトをした。学生の頃に長期のバイトはいくつか経験したものの、単発バイトはこの歳にして初めての経験だった。

 

1件目はアイドルの握手会スタッフ。平日ということもあり、訪れたファンは100名にも満たなかった。自分の仕事はCD購入列の整理、人数カウント、ゲート入口での握手券のチェックだった。

握手会の様子を実際に目にしたことがなかったため、全てが非常に興味深かった。何度もループして握手をするファンが、その都度何をアイドルに話しかけているのか気になって仕方がなかったけど、距離が離れていて聞きとることは出来なかった。

4時間で日給4,000円也。10年振りの立ち仕事に少し疲れたけど、久々に働いた感触が何だか嬉しかった。

 

2件目は深夜の什器搬入作業。昔のバイト経験から「多分、軽作業だろう。」と思っていた。しかし待っていたのは、ハードな肉体労働だった。

トラック数台にびっしりと詰まった什器を降ろす作業から始まる。尋常ではない数。そして一つ一つが大きく重い。作業手順などの説明も無く、ひたすら搬入業者やイベント運営・設営会社スタッフの怒号や罵声を浴びながらの作業。「ガキか!?てめーらは!」「返事しろや!」と罵るばかりで指示は皆無。置くのか積むのか運ぶのかも分からない。蟻の世界の方がもっとマシな指示や役割分担があるに違いない。

荒っぽい作業の連続。ものの2時間で汗だくになってグッタリしてしまい、応募したことを後悔していた。そして、まだ2時間しか経っていないことに恐れおののいた。

後半は店内での作業。名前ではなく「オイ!」などと呼ばれ、作業が終わる度にスタッフに引きずられるようにして次の作業場に連れていかれた。

什器を動かすには1人ではあまりに重く、2~3人で分担するか一緒に運んだ方が安全でロスも少ないことは明らかだった。なのに「1人で運べや!」「人数かけんな!ボケェーッ!」と何度も怒鳴られ殺意が湧いた。

疲労困憊し、殺伐として割り切った雰囲気がバイトの間に漂っていた。ヤバいなぁ…と思っていたら案の定、途中でケガ人が出て床が血まみれになった。現場近くで作業していたために、その血痕の後始末をする羽目に。…昔から血を見るのが苦手な平和主義者なんだ。血液検査も直視出来ない。オエ―ッ。

夜明け近くまで拘束され、ようやく終わった。解散時、スタッフがバイトリーダーに作業進捗が遅れていることとケガ人が出たことを問い詰めていた。バイトに正社員並みの責任を負わせていることは話の様子でよく分かった。…何だかなぁ。

疲れ果てて家に帰りシャワーを浴びると、腕や脚の十数カ所に青アザが出来ていた。特に膝が酷い。このバイトで日給9,000円也。

 

こんな目に遭いながらも、悪くは捉えていない。転職先の初出勤前にケガをしなかったことはラッキーだったし、何事も経験。

本格的な社会復帰直前にお金を稼ぐことの大変さを再認識させられた。学業そっちのけでバイトのシフトに入りまくったのに、バイト代の少なさにガッカリした記憶が蘇った。たとえ安月給でも、毎月固定的に一定の収入を得られるってありがたいことなんだ。

そして、自分には肉体労働で生きていくことは難しく、やはり頭やスキルで勝負するしかない。休憩時に周囲が2Lサイズのペットボトルをラッパ飲みしている中、汗ふきシートで体を拭い、疲労回復にとチョコレートを食べて周囲をドン引きさせてしまった。当然の用意だと思ったんだけど…生きる世界が違い過ぎることを悟った。

最後に、仕事って不条理で理不尽であることを半年ぶりに思い出させてくれた。転職の希望は叶ったものの、期待し過ぎは禁物。これは前職で嫌というほど思い知らされた。

 

バイトはこれで生涯最後かな。むしろ最後であって欲しい。今後、職を失っても即座に企業から声が掛かる実力を得るか、もしくは自力で食っていける何かを会得していないとダメだ、そう思ったよ。