線が細い人の日記

うつ病を患い無職→社会復帰→再びうつ気味

内定辞退

先日、喉から手が出る程欲しかった内定を辞退した。

平日の心理的負担がピークに達しつつある。何も手が付けられずに面接を終えた企業からの連絡をずっと待っている。バカみたい。

時間帯によっては不安から、居ても立っても居られないほど冷静でいられなくなる。胃も痛い上に、頭の頭皮もしくは毛根全てが痛むような感覚があり、禿げてしまうのではないかと思っている。一日でも早く社会復帰出来ることを確定させたいのは山々だった。

それでも正しい判断を下したんじゃないかな。

 

伝票入力と事務処理が主な仕事とあった零細企業の求人。30代の仕事としては少し寂しい気がした。書類選考もなかなか通らない今は選り好み出来る状況にない。

面接の予定時刻にかなり遅れてシャキシャキのお爺さんが登場。社長だった。退職理由や経歴などはどうでもいい感じだった。こちらの話も終わらないうちに「今ここにいる若手と一緒に会社を経営していって欲しい!」と言われる。「願ってもないチャンスじゃないか!」と反射的に思った。しかし、時間が経つほど強い違和感に支配され始める。

 

若手が各々順番に自社の商品のパンフレットと掲載記事の説明を始める。…ものすごく頼りない。俺は優れた人間ではなく、クズでヘタレなので人の批評なんて出来ない。ただ、誰一人から何の覇気もオーラも感じない。それどころか企業勤めすら難しいような人達にも思えた。共同経営していくなんてとても無理。横から社長にいちいち小突かれている姿が何とも可哀想だった。

 続いて某週刊誌の切り抜きを手渡され、大声で読み上げるように言われる。「歯車になるのではなく、自分が経営出来るチャンスのある企業で働こう!」という内容。言いたいことは分かるし、社長は大変ご満悦な様子だったけど…何とも言えない浅はかさを感じた。

 

それが終わると、外へ出て車で後をついてくるように指示を受ける。社長個人の所有する田んぼやバカでかい農機具をいくつも見せられる。会社の収入源らしい。自慢げに話していたけど、町育ちの自分にはその価値が全くピンとこない。むしろ、面接のためにキレイに磨いた革靴がどんどん泥で汚れていくことが気になった。

 行く先々で社長が社員や近所の人達(?)に顎で指図している様子が粗野で不愉快に感じた。集落の大半が自分の土地だという。この地区の権力者ってことはよく分かった。

 

会社に戻ると、今度は子供の自慢話と過去の栄光の日々の話が長く続いた。残念だけど身内話や昔話には興味が無い。今は個人で農業とそれに関わる数社を経営しており、それらの取引がメチャクチャに混在して全く整理がなされていないことは話しの流れで見抜いた。

また会社の収入源は個人資産の田んぼ頼み。子供は全く事業にタッチしていない。相続時に一悶着ありそうに思われた。どの要素もおいても関わりたい要素が見当たらない。

 

昔話が終わると面接はカオスさを増していった。性格診断の結果を社長が読み上げようとするのを何とか阻止した。使い方をわざわざ俺が事細かに解説した。

管理部門で広く仕事に携わりたいという転職目的を履歴書上でも面接の冒頭でも伝えていた。しかし、社長の頭の中では広く仕事に携わる=農作業メイン+伝票入力だった。農作業が基準だから勤務時間も休日もあってないようなことを匂わす。求人票と何もかもが異なる。

さらに「節税は脱税だ。」「会計事務所の言う事は理屈っぽい。」「法律の話を持ち出す理屈こきは嫌い。」などの持論を次々に展開する。

管理部門に携わる上である資格の取得を目指していることを伝えると「そんな資格なんて食えないから取る必要ない。」「身の程を知ってウチで働け。」「入ったらすぐ大型特殊の免許を取りに行け。」などと言い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りたくて仕方なかった。

 

まるでブルトーザーのように、俺が何か言葉を発する度に話を端折り、自分の価値観を一方的に話し続ける。誰かに経営を任せたい人には思えない。一生現役だろう。「好きなようにやればいい。」とは繰り返すが、若手の言動を見る限り全くそうは見えない。結局4時間以上費やして面接は終わり、「素直そうだから。」とその場で採用する旨を伝えられる。

ジョブカフェで相談員にあったことを全て話す。辞退することに賛同してくれた。自分にとってチャンスでも何でもない。求人票と内容がまるで違うことをハローワークに伝えて欲しいという。

うーん…社長はバイタリティがある人だし、決して悪い人ではない。ブラックの基準は人によって違うし、すごく魅力的に感じる人もいると思う。あえて申し出はしないことにした。

 

形はどうであれ、とりあえず連戦連敗の状態は止めた。流れが来ていると信じてる。もう少しだけ耐えるんだ。